前回の記事で我が家にピアノ(大成ピアノ製造 Orgast Holster OH122B)が来たことは書きましたが、いかんせん30年近く放置されていたとの事で、ちゃんと使えるのかが心配でした。
運送手配を依頼したピアノ屋さんに連絡をすると、ラッキーな事に納入翌日に点検に来てくれるということに。
(普通なら、自分の所で買った訳でも無い物のサービスなんて後回しにされちゃいますけどね…(※前所有者はこのピアノ屋さんで購入しているんですが))
点検当日、あのピアノ屋さんで最初に接客をしてくれた方が来てくれました。
早速ピアノの点検が始まります。
「分解」とか「整備」とか、そういった類の物が大好物な私ですので、邪魔にならない程度に食い入るように見入ってしまいました。
上前板→鍵盤蓋→鍵盤押え木 と取り外していき、心臓とも言われるアクション部を外します。
運送手配を依頼したピアノ屋さんに連絡をすると、ラッキーな事に納入翌日に点検に来てくれるということに。
(普通なら、自分の所で買った訳でも無い物のサービスなんて後回しにされちゃいますけどね…(※前所有者はこのピアノ屋さんで購入しているんですが))
点検当日、あのピアノ屋さんで最初に接客をしてくれた方が来てくれました。
早速ピアノの点検が始まります。
「分解」とか「整備」とか、そういった類の物が大好物な私ですので、邪魔にならない程度に食い入るように見入ってしまいました。
上前板→鍵盤蓋→鍵盤押え木 と取り外していき、心臓とも言われるアクション部を外します。
取り外されたアクションユニット。
ここで調律師さんはアクションの点検に入る前に本体の作業に戻ります。
鍵盤下にはアレが…
鍵盤を外していくと…下には紙屑が…
どうやらネズミが巣を作っていたようです。
しかし幸いな事に、その巣の材料となっている物はピアノの部品(フェルト類)ではなく、置かれていた部屋の他の場所から集められたと思われる不織布等でした。
最低音の鍵盤だけ、若干のかじられた跡がありましたが、見えない部分でしたし演奏に支障は無いとの判断。
この後、しっかり掃除機等で綺麗にしていただきました。
(余談ですが、千葉のピアノでネズミ被害にあっている物は酷い傾向にあるとの事(調律師さん談)。それってディ〇ニーランd…)
アクション、鍵盤を外した状態で、さらに本体側のチェックを進めていきます。
フレーム
写真上部に見える金色の所がフレームです。 見えているのは上部だけですがピアノの下部まであります |
ピアノの骨格と言われ、鋳物で作られています。何本もの弦を張り、その張力に負けないように頑丈に作られいますが、経年劣化等によりクラック(割れ)が起きる事もあるそうです。
このフレームに割れがあったら…残念ながら寿命です。(もちろんお金をかければ治りますが新品以上の値段になることもあるとか)
診断結果…現状問題なし
ですが、30年ぶりの調律により弦のテンションが戻った際にどうなるかは、正直やってみないと分からないと言われました。
響板
縦の柱(支柱)の奥に見える板が「響板」 響板に斜めに付いているのが「響棒」 |
ピアノの音の鳴りを決める重要な箇所「響板」。アップライトピアノだと背中の板です。この板が弦の音を増幅させ、音の広がりや厚みを作ってくれます。この響板が割れていたり、過度な湿気によってカビが生えていたりすると、音への影響が出ます。
響板の診断結果は…良好。割れもカビも見当たらず。響板自体の鳴りも良いとの事でした。
アクション
アクションの点検です。
ここの動きが渋かったり破損していたりすると、鍵盤が下がったまま返ってこなかったり、音が鳴らなかったりするらしです。
ハンマー部 下部のマーク部が若干黒ずんでいます。湿気等が原因との事。 ですが動作には(大きな)問題なし。 |
診断結果…良好
完璧、とは言わないまでも、木材部分の腐食等もほとんど無く、関節部の稼働も若干の経年変化によって動きが鈍い程度。動きの鈍さは鍵盤のタッチに影響してくるらしいですが、ピアノを習い始めたばかりの子供なら気にならないとの事で現状のままにすることに。
調律師さん曰く「30年近く放置されていたピアノと聞いていたから、致命的な何かが出てきてもおかしくないけど、自分が見てきた同じような状況のピアノでは、近年一番綺麗じゃないかな」との事でした。
ハンマー部に関しては、数本が剥がれていました(パンクと言うらしいです。そう言えば運送屋さんも「ハンマーがパンクしてるよー」って言っていました)
ハンマーは、フェルトを骨に当る木材へ接着している為、年数や使用環境で起こりうる症状との事。放置していたから起きた問題では無いとの事でした。
このパンクも、このまま使用することは可能ですが、素人の私が弾いてもパンクした箇所の音に違和感があった(音がぼやけているような感じ)ので、修理していただくことにしました。(6本)
一通りの点検が終わり、点検中も色々と質問させて頂き、結果…
・現状大きな不具合は無い。
・パンクしたハンマーは修理で治る
・修理したハンマーを取り付け後、調律。その調律の際にフレームが逝ってしまうかどうかは、やってみないと分からない
・外装は気にしないのであればこのまま。お金をかければ綺麗には出来る。
・30年放置にしては内部の状態は良好。
でした。
ここで見積もり金額を口頭で聞き、予想以上にお安く出来るという事実。
(ハンマーのパンク修理なんて検討つかないじゃないですか。調律も30年近く開いているので相場もへったくれもないですし…)
勿論その場でお願いし、パンクしたハンマーを修理の為に取り外してもらいました。
まずはハンマーの修理が完了し、ピアノに戻されるのを楽しみに。そしてその後に行われる調律、整音でどれ程音が変わるのか。何より調律にこのピアノが耐えられるのか、これから暫くはドキドキが続きそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿